相続放棄
5月に入ってから、東京は夏日のような日が続いてますね。
先日、スーパーでスイカが売られているのを見て、びっくりしました。もはや夏ですね、、、。
さて、最近相続放棄申請業務を承ることがあります。
今日は相続放棄について、解説いたします。
1 相続放棄とは
相続放棄とは、相続開始後に相続権を放棄することをいいます。相続放棄は、遺産の積極財産と消極財産のいずれも相続することを否定することになります。例えば、遺産のうち積極財産よりも消極財産のほうが多く、遺産を承継することで損害を被るようなことが確実であるような場合には、相続放棄をすることが有用です。
2 相続放棄の期間
相続放棄は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所への申述によってなされます(民法第938条)が、この相続放棄の申述は、相続開始があったことを知った時から3カ月以内にしなければなりません(民法第915条第1項)。もっとも、この期間を経過した場合でも、相続放棄期間の伸長を家庭裁判所に対して申し立て、家庭裁判所がこれを認めた場合には、伸長された期間が経過するまでは相続放棄をすることができます。相続放棄の申述は、相続人が行うことができます。ただし、相続人が未成年者又は成年被後見人である場合には、当該法定代理人が相続人を代理して申述することになります。また、相続人である未成年者と法定代理人の利害が対立するような場合には、当該未成年者に対して特別代理人を選任することが必要となります。
3 相続放棄のメリット
相続放棄のメリットとしては、被相続人の負債を承継しなくても良いことにあります。相続放棄を行うと相続放棄をした人は初めから相続人ではなかったものとみなされます(民法第939条)。そのため、被相続人に借金があったとしても、相続放棄をすれば借金を承継しなくても良いことになります。また、被相続人が不動産を所有しており、その不動産の管理に費用が掛かってしまう場合も、相続放棄をすればその不動産を承継しなくて良いことになります。ただし、相続放棄をした人が、相続財産を占有していた場合には、相続財産管理人に引継ぐまでは一定程度の保存義務を負担することになっています(民法第940条第1項)。
4 相続放棄のデメリット
相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産もともに相続することを否定するものであるので、相続放棄をしてしまうとプラスの財産を承継することができません。
また、相続税との関係では、相続放棄をした人は、生命保険金や死亡退職金についての非課税枠(500万円×法定相続人の人数)の適用を受けることができなくなります。また、相続放棄をした人は、債務控除や数次相続控除も受けることができなくなりますので、注意が必要です。
相続放棄には、それぞれメリット・デメリットがありますので、相続放棄を検討される場合には弁護士にご相談されることをお勧めします。