不動産の売却方式

 

皆さま、本年もよろしくお願いいたします。

以前、このブログで不動産の査定の見方のポイントについて、解説しましたが、不動産の査定を読むこと以外にも、弁護士業・税理士業と不動産の売買実務は密接に関連することが多いです。

 

例えば、相続税や遺留分の支払いのために不動産を売却しなければならない場合には、不動産の売却方法というのも弁護士業・税理士業に関わってきます。

 

今日は、不動産の売却方式について解説します。

不動産の売却方式というのも、一般的には、①入札②相対という方法があります。

 

1 入札

 入札というのは、売主が予め条件と入札の締切日を決めて、各検討者に入札の締切日までに買付申込書を出してもらい、一番条件の良い申込書を提出した検討者に対して不動産を売却するという売却形式です。

 入札の場合は、締め日を決めて複数の買付申込書を募るため、売主1人対複数の検討者という構図になります。

 

2 相対

 相対というのは、売主が希望条件と希望価格をあらかじめ決めておき、その条件と価格に沿う買付申込書を提出した検討者に対して不動産を売却するという形式です。相対は、売主が各検討者に個別に交渉していくので、1対1の交渉になります。

 

3 入札と相対のどちらが良いか。

 入札か相対、どちらの売却形式が良いかは、売却を希望する不動産や売却の理由によって異なります。

 入札の場合、人気のある物件だと多くの検討者が入札に参加することが予想され、売買価格を上げられることが期待できるでしょう。一方で、入札の実施には一定の期間も要しますので、相対と比較するとスピード感はやや劣ります。

 相対の場合、個別に交渉し、価格と条件が合致したら売買が決まるので、入札と比較するとスピード感があります。一方で、他の検討者であれば、もっと良い条件・良い価格が出た可能性もあり、価格の極大化を狙う場合には入札形式のほうが優れているかと思います。

 

 このように、不動産の売却方式についても、売主の事情や売却を希望する不動産によって、どちらの形式が良いのか変わります。

 

 相続税の支払いや遺留分の支払い、代償金の支払い等で不動産の売却が関係する場合には、不動産分野にも強い士業に相談することをお勧めします。

 

 

 

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