遺言作成の際のポイント②

相続

前回に続き、遺言作成の際のポイントについて解説します。

 

1 遺言執行者の指定

 遺言執行者とは、遺言内容を実現するための手続を行う人のことをいいます。遺言を作成するうえで、遺言執行者の指定は遺言の要件となっていません。しかし、相続間で対立が生じている場合、遺言を遺したとしても遺言内容を誰が執行するかをめぐって争いになる可能性があります。せっかく遺言書を作成しても、遺言の内容が実現されないのでは所謂絵に描いた餅となってしまいます。相続人間での対立が予想され、遺言内容の実現に不安を覚えられる場合には、あらかじめ遺言執行者を定めておくことをお勧めします。

 

2 付言事項

 付言事項とは、遺言書において法的効果が与えられない記載事項のことを言います。遺言者の生前の気持ちや家族への感謝のメッセージのほか、遺言書で定めた事項についてなぜそのような記載をしたのか理由を書く場合もあります。付言事項には法的効力が与えられるものではないのですが、付言事項を書くことによって遺言者の真意を相続人により伝えやすくすることができ、場合によっては相続人間の対立を和らげて相続発生後の相続人間のトラブルを防止することができます。

 

遺言作成にもいろいろな知識が必要になり、奥が深いです。遺言を作成される際には、弁護士にご相談ください。

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